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第209回北軽井沢句会  (2022年)

第209北軽井沢句会会報

 令和4年5月11日

豆飯 袋掛 若葉

当季雑詠の計五句出主宰選・柴山選は任意・他六句選


photo by  Udai  2022/5/11   撮影


photo by  Udai   2022/5/11   撮影


photo by  Udai  2022/5/1  撮影


photo by  Udai   2022/5/1  撮影
 

photo by  Udai   2022/5/7  撮影

    




5 豆飯や貧しきときも又今も

  袋掛けふは浅間のよく見えて

2 浮き上がるほどの数なる袋掛

1 袋掛溶岩も顕な裾畑
 

 



伊藤伊那男





1 豆ごはん上手に炊けて仏飯に

2 しばらくは巣箱に貸せりポストかな

1 若葉みち心優しくなりにけり

1 一面のフルーツ街道袋掛






柴山つぐ子



  上向けど空の隠るる山若葉

4 北軽に着けば新たな若葉風






 伊藤 政三


 

1 腰曲げて慣れぬ脚立の袋掛

1 自慢げに見せる豆飯村役場

1 豆飯や門外不出の塩加減





大野田井蛙

 

5 袋掛入り日を入れて終へにけり

3 風抜くる土間に豆飯炊き上がる

1 若葉風浅間の裾をめぐるかに    






小野寺清人

 

1 穏やかに暮れし一日や豆御飯

2 裸婦像の遠き眼差し若葉風

1 白雲の葉末に流れ袋掛 




 

 佐藤栄子


 

1 何気ないひと日が暮れて豆の飯

2 夏来たる光る機体と雲の帯








佐藤かずえ
 

伊  

1 湯上りの坊のくりくり豆ご飯

4 海のなき甲斐の白波袋掛

1 紅の葉を繁らせて八重の余花

1 透き通る傘で出掛くる若葉雨

1 葉桜の日の斑ざはめく段葛




 

戸矢 一斗

伊柴

伊柴


2 掘らるるを待つ筍の山しづか

1 思ひ出を紡ぐ一日や豆の飯

1 若葉風山ふんはりと色重ね









山﨑ちづ子

 

4 袋掛腰のラジオが時報打つ

1 袋掛産土の空まじまじと

1 産土と共にいただく豆の飯

1 松蝉のしぐるる山家まだ開かず







岡田久男 

伊柴



  袋掛手を休めれば遠く槍

  亡き夫の誕生祝ひ豆の飯

1 山降りるほどに若葉の濃くなりぬ





北川京子

 

1 豆御飯食べたと明治生れ人

1 愚痴多くなりたる夫に初夏の風

1 袋掛け終へて満蒙開拓地


 

黒岩伊知朗





  豆飯の走る力や飛ぶ力

1 楽しみは子の名したため袋掛

1 茶畑をいくたび走る若葉風




小林好子

 

1 砂遊びトンネル手触れ若葉かな

1 鉄棒の身動きとれず若葉風





佐藤さゆり
 




1 鯉のぼり風のご馳走より高し

1 陽に向ひ心重ねし袋掛








佐々木終吉

 


1 豆飯を持参の友と酒をくむ

1 袋かけ終へて安どの帰路につく





佐藤洋一郎

 

3 一手間の高級果実袋掛

2 鮮やかさ山駆け登る若葉かな
     





白石欽二


 柴伊

1 袋掛家族全員梯子の上









武井康弘

 

1 公園をつなぐ並木や花水木

1 電燈の笠の如しや袋掛


 

横沢宇内






第二百回記念吟行 北軽井沢句会々報 

令和四年五月十二日(木) 柴山つぐ子邸
     三句出三句選

参加者 :伊藤伊那男、柴山つぐ子、大野田井蛙、、北川京子、黒岩伊知朗、
武井康弘、戸矢一斗 
出句のみ 佐藤洋一郎、小林尊子


柴   3 嬬恋の目覚めを急かすみそさざい

柴   1 切株に座し鶯の声を待つ

     3 白樺の倒れながらもなほ芽吹く






 

 伊藤伊那男


伊   1 水音のいさぎ良きかな夏に入る

伊     山吹は夫の好みの花なりき

     1 佳き声の蛙に出会ふ大草原
 
 




 

柴山つぐ子

    1 静かなる湖畔に響く初音かな







 

 伊藤政三

    2 バラキ湖の老鶯いまだ鳴きやまず 
 
    




 

大野田井蛙

柴   1 晴れ男五人揃ひて薄暑かな

    1 熊よけのラジオ誘ふ現の世




 

 

北川京子

    1 タラの芽や天突く枝をただながめ

    2 バラキ道四方連山名残り雪









 

黒岩伊知朗 


   2 月遅れ湖畔に咲くや山桜



 

 

小林尊子

柴    風にのり瀬々らぎの音鳥の声

柴    せせらぎの音を聞きつつ庭の中







 

佐藤洋一郎




 

伊   2 夏来るみどりの鳥を肩に乗せ

伊   1 椅子はみな櫟の丸太キャンプ村

伊     白樺の幹のまぶしき夏はじめ


 

戸矢 一斗 

 



 (記録:戸矢一斗)




△ 次回の句会は

管理事務所。

AM 9:30分。

兼題は当季雑詠です。









photo by  Udai  2022/5/19 撮影



photo by  Udai  2022/5/19 撮影


 浅間山の麓に広がる15万株の大輪のしゃくなげと浅間高原のパノラマです。日本でも最大クラスのシャクナゲ園、その規模と可憐さは訪れた人々を魅了します。 


八王子/2022/5/21撮影