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第214回 北軽井沢句会  (2022/11/9)

 
 第二百十四回銀漢北軽井沢句会会報


   令和四年十一月九日(水)管理事務所 

兼題 おでん(鍋一般) 冬銀河 返り花
   当季雑詠 三句   席題 一句 

       



2022/11/14  photo by  Udai

  
                      
 

                       
 指先を染めて小春の街をゆく
              
 とびきりの紅葉明かりや観音堂

 寝観音の腹のあたりや初雪す

 波郷忌来る嬬恋村の返り花








柴山つぐ子

 幹よじれ色変えぬ松砂防林
               
 萩寺の萩に埋もる観世音

 露寒や机の下のひざ頭

 厨房の奥まで日ざし冬に入る 





   
小林 好子
 
 風をよみ空を仰ぎて蒲団干す
              
 陽を追ふて膝行る縁側日向ぼこ

 ハイカーの途切れる声や返り花 





 
佐藤 栄子
 母と子の急がぬ時間冬銀河
               
 狛犬に飲み込まれてる落葉かな

 境内のベンチのぬくみ小六月

 ぬくもりを炊き上げてゐる零余子飯





山﨑ちづ子
 珈琲とみそ汁の朝文化の日
               
 立ち止まりまたふり返る散紅葉

 肩並べ歩く二人の手に冬菜







佐藤かずえ 
 
 ひとまはり小さく咲きぬ返り花
              
 白樺で作りし十字架秋高し

 新米や何もいれない塩むすび



北川 京子
 
 
 返り花ここは奥利根吉祥寺
                
 花芒薄墨色の大浅間

 独り居のガラス戸たたく秋の風








黒岩伊知朗
 ふくれ面宥めすかして七五三
               
 囲炉裏端おつけ団子の手前味噌

 木洩れ日の大地のぬくみ返り花

 小春日や犬の歩みに追ひつかず




黒岩 清子 
 

 おでん食ぶ店の片隅訛飛ぶ
               
 帰り花灯のつく頃や診療所

 終電車急ぐ家路や冬銀河

 





佐々木終吉 
 せせらぎを背中で聞きつ草を刈る
            
 ものうげに尾を振る牛に冬の蠅 
佐藤 洋一郎








 広大さ人智及ばぬ冬銀河
                
 山小屋の灯火消へて冬銀河

 冬の夜水路を泳ぐ狸かな





 
白石 欽二
 オリオンが写る湖面の霜夜なり
             
 返り花きらりと人を引き止める

 小春日や水底の砂舞ひ上がる  
 




武井 康弘 
 初冠雪の浅間を指呼に開拓地
              
 天明の溶岩の間の返り花

 故郷も昭和も遠し箱火鉢



中島みつる
 



 

 従兄弟会昔話や郷土鍋
                 
 鍋の湯気窓をくもらす四畳半

 吊り橋をわたりかけるや秋の風







山﨑 伸次  
 
 月食の赤銅色や冬初め
                 
 冬晴れの要砦のごと八ッ場ダム

 名刹の山門くぐり秋深し







横沢 宇内
 
 





★句会前夜、四四二年ぶりの皆既月食の話題から、兼題の冬銀河の話へと盛り上がりました。
ありのままを詠めたらと思います。三段切れ、誤字脱字に気をつけたいものです。(山﨑 ちづ子)
                                       
★十二月の句会  十二月十四日(水) 管理事務所 午後一時から
                 兼題 二句 暮早し 日記買ふ 蜜柑
                 当季雑詠 三句   席題 一句 

★柴山つぐ子先生句集出版記念パーティー
    ◎十二月十四日(水) 16:00~ (句会の後)
    ◎会場 72シーズンズ  (管理事務所から三原方面700m右側)
    ◎会費3500円
    ◎出欠を、横沢宇内、黒岩清子に12月7日までにお知らせ下さい。
  

★本格的な冬となりました。立冬から立春までを冬というそうです。寒さに負けず頑張ろう。
そして、ご健吟を。                        (2022.11.11 つ)








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