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第223回 北軽井沢句会  (2023/9/13

  第二百二十三回銀漢北軽井沢句会会報

    令和五年九月十三日(水)管理事務所








鬼押出し園







  
 秋日濃し仏の花を選ぶ時
         
 盤水の太文字恋し秋扇

 喜びを写真に残し秋さやか

 顔の三つ四つと喜ばす








柴山つぐ子

 子育ての楽しき頃やちちろ鳴く

 女郎花人の心のむずかしき

 山をゆく起点の橋の虫時雨

 秋茄子や夕べの雨の雫垂る





山﨑ちづ子
 名月の照らす夜空の深さかな
          
 大佛の在す鎌倉良夜かな

 梨を剥く友の語りのとぎれなく

 



   
小林 好子
 
 冬瓜や軒端にごろり客を待つ

 八十路とてまだ姉御肌新酒酌む

 ゆらゆらとイヤリング如檀の実

 草軽のトロッコ電車秋うらら
     



 
佐藤 栄子

 オカリナの音色とけゆく秋夕焼え

 一山のふところ深し草の花

 傾ぎつつ吹かれてをりぬ秋の蝶

 可憐だね本当だねと花街道





佐藤かずえ 
 空蝉や葉裏に確と爪たてり
                     
 大空へ十字を切りて秋つばめ

 玉蜀黍かじるハーモニカ吹くやうに



 

岡田 久男
 
 
 
 花芒浅間山遠見の峠道

 終戦日我一才の誕生日

 二百四十年秋の彼岸の観音堂







黒岩伊知朗
 かなかなや独り言ちする父の墓

 秋茗荷食べ過ぎ注意の札のあり

 団栗や子とかくれんぼもういいかい
黒岩 清子 
 
 






 宅施餓鬼ペダル踏む僧風を切る

 添水鳴る料亭の灯や風捉ふ

 菊の香や残したままの花手水
 





佐々木終吉 
 


 母連れて姥捨て山を探す秋
                      
 稲刈や高価機械を年一度

 赤蜻蛉収穫間近峡の田に 





白井 欽二
 団栗が落ちてきそうな露天の湯
 
 上州の風暖き芒かな

 鈴虫の鳴き声奪ふ強ひ風
 




武井 康弘 
 コスモスや赤信号の交叉点

 山鳩のしきりや夏の軽井沢

 葛咲くや高原野菜の直売所

 ゆく夏や「母さん僕のあの帽子
 





中島みつる
 満月や雲間の星は一人ぼつち

 街灯に桜と紅葉秋祭り

 満月や主宰と交わす祝ひ酒





山﨑 伸次
 
 
 稲妻の四方に飛び去る闇夜かな

 湯船から望む八ッ湖涼新た

 花瓶から溢れ鈴生り真弓の実





横沢 宇内
   



★栄子さんが席題にと芒・秋明菊・真弓の実を持って来てくれました。
秋の草花が咲き乱れ、作句には最高の季節です。一日一句で頑張りましょう。
 (山﨑ちづ子)   
★十月の句会   十月十一日(水)旧東村箱島湧水・水牢吟行
         万座鹿沢口駅 午前八時三十分集合
         会費 三千円位 当日集金します(車代・食事代)
         今月末までに出欠の連絡を管理事務所までお願いします
         幹事 白石欽二 山﨑ちづ子
《埋め草》
◎コースターの一句に誘われ  増田明美(スポーツジャーナリスト)   (ある日の朝日新聞より)
 ビールが注がれた私のグラスをそっとどけて、白いコースターに彼女は万年筆を走らせた。〈ゴールして白詰草に倒れ込む〉と。初めて黛まどかさんと食事をした時のことである。部屋に野原の香りが漂い、その瞬間私は俳句に興味を持った。選手を引退した後も毎日一時間走っていると話すと、「せっかく自然と接しているのなら、目にした感動を五・七・五の器に生けるといいわ」と黛さん。その後、黛さんが開く百夜句会に参加すると、私同様彼女と食事をしコースターに一句書いてもらった人が少なくなかった。皆、十七文字の宇宙に魅了されている。    ~~  ( 中  略 )  ~~
 私は出張先でジョギングしながら感じたことを単語で持ち帰り、後でゆっくり俳句にする。これを勝手に「ジョグ俳句」と呼んでいる。この夏菅平高原を訪れた時、朝靄の森を走っていると郭公の声が。〈郭公の声響く朝はやる足〉と詠んだが、句会では誰も選んでくれなかった。残念。これまでの私の句で評判がよかったのは〈菜の花の群れから離れひとり咲く〉。自分の句が選ばれた時はうれしくて、二・三日は気分がいい。選ばれなくても人の句に感動の扉が大きく開く。何だか最近は俳句のために走っているみたい




動画へリンクします。




箱島湧水と水牢(吾妻郡東村箱島)


リンクします。







大浅間




鬼押出し園





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