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2019/5/10更新 


2019年 第179回 北軽井沢句会 戻る




第179回北軽井沢句会  (2019年) 


令和元年六月十二、十三日{水、木}午前五時集合

万座鹿沢駅発 出羽三山一泊吟行

宿泊 羽黒山 三光院

宿題句 吟行句 四十句にチャレンジしました

銀漢[大倉句会]小野寺清人さんのご参加を頂きました




photo by takei


湯殿山



 羽黒山にある三神合祭殿
      月山、羽黒山、湯殿山の三神を祀る豪壮な建物前の大祓茅輪神事
三光院玄関鳥居前


photo by takei


  
6月30日、夏越の大祓

 6月の大祓は、「夏越の大祓」の他に「名越の祓」「水無月の祓」とも呼ばれますが、この日は全国の多くの神社で茅輪神事が行われます。




爺杉 特別天然記念物の羽黒山最大最高齢の樹齢一千年


羽黒山参拝  杉並木
随神門から山頂まで約2kmの表参道、石段は2,446段、
両側に樹齢350〜500年の500本以上の国の特別天然記念物
の杉並木が山頂まで続きます。 徒歩約60分ほどで山頂の
三神合祭殿へ参拝できます。




羽黒山、五重塔の門入り口の看板
    (芭蕉が五重塔に寄ったという意味だと思います)


羽黒山三神合祭殿前の記念撮影
日本一の茅葺屋根、出羽三山の神々を祀る



鐘楼と大鐘。国の重要文化財

鐘楼は切妻作りの萱葺で山中では五重塔に次いで古い建物。健治元年(1275)の銘のある鐘は口径1.68m、中世以前の物としては東大寺鐘に次ぐ巨大さ。大鐘は昭和48年、鐘楼は平成12年に重用文化財指定。


赤い橋.

五重塔に行く際の随神門(五重塔入り口門)を、抜け継子坂(ままこさか)下ると、
秡川(はらいがわ)にかかる赤い神橋(しんきょう)見えてる。
月山を源し、古は出羽三山に参拝する人々はこの川で身を清めた。




羽黒山 南谷史跡 句碑
月山に速力ある雲の峰  盤水



湯殿山

残雪に大幣の舞ふ湯殿山  盤水



羽黒山南谷史跡にある盤水句碑



山中にそびえる東北最古の五重塔
昭和41年には国宝に指定



心字池/河骨

河骨は星のごとしや鏡池     盤水

 河骨は南谷史跡の心字池.。
元禄二年に(1689)芭蕉が逗留した際のあづま屋  
「ありがたや雪をかほらす南谷」





羽黒山五重塔入口



三光院玄関鳥居前


△雪渓が天際(てんぎわ)までの月の山     皆川盤水

photo by Udai



薄き殻落ちて燕の孵化を知る
          
あつぱれや五羽一斉のつばめの子

戻り来る子もあらうかと親つばめ

口中が火事の如しよ葉山椒

先師句碑訪ぬる旅や新樹光

身の刺を祓ひ落とせし茅の輪かな

夏うぐひす盤水句碑に来て啼けり

木漏れ日の盤水句碑に山の蟻

殿に青葉のしづく南谷

木綿注連の背ナに止まれる鬼やんま

越後路は栗の大樹の花盛り

盤水句碑守り流るる岩清水

水芭蕉奥宮参りのとば口に

紅うつぎ女体の山をやはらかに







柴山つぐ子












 
 
   
 
 

 
父の日の独りでゐたき日暮れかな
        
放流のダムのしぶきを岩燕

網小屋は屋根に石置き柚子の花

豆単は兄の御下がり青嵐

梅雨寒や友に黙祷車中にて

碑を読めば山蚊来てゐる南谷

梅雨晴れや先師の気配すぐそこに

鳥海は白を離さず青田風

羽黒山汗の木綿注連持ち帰る

出羽に咲き都忘れの濃かりけり

石段に彫られし盃に汗落とす

蛙啼く固き枕の坊泊り

雪渓の谷に痩せゆく出羽日和

早苗饗の出羽の広間の天狗面

神鈴の背ナに触れゆく涼しさよ
             
  小野寺清人













 
廃屋の軒下借りて夏つばめ
            
声掛けて登る石段滝の汗

どこまでも青田の続く越後かな

大鳥居くぐりて夏のつばめかな

水無月やここは羽黒の修験道

出羽三山雲海首に巻いてをり

米どころ名山写す植田かな

沢々に残雪を見て足湯かな

ご神体裸足参りの有難く

大鳥居頭を低くして夏つばめ






  黒岩伊知朗




郭公の声聴きてより農を知る
           
深みどり心して入る神の山

杉並木梅雨の晴れ間の石畳

鏡池森青蛙の声太し

出羽街道行けども続く青田かな

都わすれ翁の句碑を包みけり








  黒岩 茂子


大吉と出たる大社の夏祭り
           
河骨の灯る黄花や羽黒山

夏草や遠き芭蕉の夢のあと

撫で牛の手撫で足撫で紅空木

山伏の法螺の音寂し夏夕焼

見はるかす一面青田の米どころ

下野草盤水句碑の庭に咲く

夏夕焼三山吟行皆無口

走り根に足取られつつ梅雨の谷

悠久の杉の木立や夏羽黒 



  黒岩 清子




   
 



 
静かさや屋根に落ちたる梅雨の音
         
いさぎよく鞘から飛び出す莢豌豆

五月闇友の苦しみ分かち合ふ

萱ぶきの合祭殿や雲の峰

日本海海坂くっきり小鯵つり

河骨や先師を偲ぶ南谷

緑陰や風鐸揺るる五重塔

講宿のもてなし料理竹の子煮

湯殿山神住む岩の蚊にさされ

湯殿山先師句碑の辺蕗たわわ


           




  小林 尊子 
   




山路来て見渡す限りキャベツ畑
            
万屋の壁にぶらりと如雨露かな

越後路は雨粒奔る青田かな

宿坊の廊下の軋み夏の月

山頂は神の領域虹二重

月山の賜りものの田を植ふる

月山へ角の突き出す蝸牛

三山をもうでる旅や一夜酒

宿坊の枕辺に聴く時鳥

梵字川神の育む岩魚かな
 






佐藤 栄子




 
ふつくらと垂るるつぼみや金魚草
           
母を待つかやつり草を抜きながら

山ぼうし越後に雲のかかりけり

杉落葉木漏れ日ゆるる南谷

手水舎の日だまりに蛇長々と

南谷芭蕉の句碑や苔の花

青芒海へと続く道ますぐ

不揃ひの石段続く夏木立

風車黄泉の子供に届くかな

湯殿山さびたの花の紅濃くて
       
 




  佐藤 かずえ






 


梅雨寒の親子で並ぶ美容院
             
毎日の育ちの早し玉菜かな

水無月の吟行初心大切に

講宿の凛としてをり今年竹

句授かり神に守らる奥まいり

切り株の一休みする南谷

参道の小流れに添ふ姫女苑

夏の月ひつそりと建つ五重塔

厳かに御祈祷受くる蝉時雨

手を添へて南谷句碑若葉風 








  佐藤さゆり




故郷の山を写して青田かな
               
羽黒山茅の輪くぐりて笑顔かな              
あやめ咲く道の片隅輝けり

護摩祈祷心安らぐ橡の花

入梅や猫も外出嫌がりて

湯殿山紅うつぎ咲く修験道
武井 康弘









 
紫陽花の次の色待つ雨上り
            
雨ごとに膨らむ畑や時鳥

長靴の子らの大波あめんぼう

のど自慢合格の鐘蕗を煮る

苛立ちは一時のこと心太

石鯛の縞くつきりと貰ひ受く

万緑の真只中の大鳥居

緑陰の枝に混み合ふひとところ

越後路は田園の景南風かな

初蝉や裸足参りの湯殿にて








山﨑ちづ子




                
見渡せば越後平野の青田かな
           
トンネルを抜けて万緑目にやさし

昼顔や釣人あまた日本海

三光院庭に皮ぬぐ今年竹

羽黒山茅の輪くぐりの吟行会

河骨や龍が背に乗る合祭殿

余花に合ふ空と湖との青さかな

山頂に案内するかに夏の蝶

湯殿山薄紅うつぎ盛りなり

水ゆたか裸足参りの湯殿山 






  横沢 宇内






★欠席投句 

           
 
 山水に豆腐沈めて夏座敷
             
花桐や卓に湯ざまし粉薬

雲の峰海総立ちの波がしら

句碑古りし旧街道の夏わらび









  小林 好子
散りざまの野武士の如し泰山木
          
新聞の折り目揃はぬ梅雨湿り

鋏音の音をたのしむ梅雨の晴 

          
 



  岡田 久男

 
 
糸とんぼつつく水草大揺れす
           
入梅や浅間隠しの黒き雲

公園の見上ぐる先の花水木






岡村妃呂子
風薫る棚田の水面はゆる空
            
入梅の宣言あとの青い空









佐々木終吉
   
★今月の句会は待望の出羽三山一泊吟行。
梅雨晴れの俳句三昧の二日間、講宿主のご案内も頂き合祭殿での御祈祷、盤水句碑にもまみえ寸暇を惜しんでの句修業となりました。                              (小林尊子)



★七月定例句会 七月十日 水曜日 午後一時半 管理事務所
兼題二句 七夕 夏草(一般) 当季雑詠三句 席題二句


★ あ ら か る と ★
「出羽三山吟行に参加して」
    ● 羽黒山              佐藤さゆり
合祭殿は三神を祀る処、厳かなご祈祷を受けることができました。数年前「銀漢」本部吟行に参加し再びこの地に来れるとは思いませんでしたが、南谷は初めてでした。
神秘的で心字池の河骨が黄の花を開き出迎えてくれているようでした。有名な芭蕉句碑、盤水先生の月山句碑にも触れる事ができました。この地を訪れ生まれかわった思いでこれからの日々暮していきます。貴重な機会を頂き本当に有難うございました。



   ●国宝 五重塔             山崎ちづ子
宿坊三光院の粕谷典海さんよりの木綿注連(ゆうしめ)を首に掛け山伏気分で階段をおりて行くと、杉の大樹が聳え立ち、せせらぎの音、鳥たちの囀りが緑陰に響く、木漏れ日の中均整のとれた五重塔が現れる。風雪に耐えてきた素木造りの塔は神々しく美しかった。
この地を訪ねるのは二度目の私ですが四年前と少しも変わらず端正なお姿でした。
梅雨晴れ間の二日間の吟行は宿坊三光院の粕谷典海さんに親しくご案内頂き、お母様の暦年俳人粕谷容子さんにもお逢い出来温かな笑顔とお言葉を頂きました。
大倉句会の小野寺清人さんのご参加も楽しくご指導を頂くことが出来有難いことでした。
南谷まで一生懸命歩き盤水句碑に抱きつき涙する柴山さんの姿を見た事、涙有り笑い有りの吟行でしたが全ての事に感謝したいと思います。
北軽井沢句会の皆様には拙い幹事でしたがご協力頂き無事吟行が終わりました事に感謝します。ありがとうございました。




    ●奥参り湯殿山             佐藤 栄子
吟行二日目、宿坊の典海さんの先導で出羽三山奥の院神秘が息つく行の山湯殿山へ、真つ赤な大鳥居が出迎えてくれた。
典海さんの説明を受け裸足となりお祓いを、形代に祈りを込め流す、お祓いを受けご神体の岩へ一歩一歩と全てが神秘的であった。
先祖供養をし足湯に浸かり湯殿山の儀式は終了する。青空と月山の残雪そして目にしみる新緑、夏鶯、初蝉、梵字川岩魚、水芭蕉、立金花、花空木等目に余る大自然を全身にうけることが出来た吟行であった。



★あとがき★
お疲れ様でした。念願叶う出羽吟行でした。私的には六回目の出羽三山でした。伺う度心身のお掃除を頂く気がして、何と言つても俳句ご縁、お陰さまなのです。
盤水一門の地であり「銀漢」のルーツを紐解く様な気も、先師の気配がお声が届くような伊那男主宰のお口添えもあって三光院の皆様には大変お世話になりました。  (R 1 6 16 つ)






★吟行メモ★

◎出羽三山 月山{前世} 湯殿山(来世) 羽黒山(現世)
◎羽黒山 かつて月山 湯殿山は女人禁制のため鏡池のほとりに合祭殿を設けられた◎蜂子皇子が羽黒山を開かれたのが出羽三山の始まりであり三山の神々を合祀するお山であり修験道場。


◎木綿注連 五重塔{国宝)爺杉
◎現世利益◎有難や雪をかほらす南谷{芭蕉) 盤水句碑が三光
院の庭先に 河骨は星のごとしや鏡池。



◎月 山 祭神は、「月読命」夜 海 魂 死後の浄化 蘇り
 ◎山開きは七月一日まだ雪深くバスもまだとのことでした。
 ◎月山に速力のある雲の峰 羽黒山南谷の参道に建つ盤水句碑。
 

◎湯殿山 再び生れ変わる◎「語るなかれ」[聞くなかれ] 神秘の世界。いにしえ西の伊勢参りに対し東の奥参りが人生の儀礼であったとか [語られぬ湯殿にぬらす袂かな](芭蕉)



◎梵字川のほとり湯殿山神社での参拝はいまも裸足となりお祓い
 を受けてからでないとお参りは許されない。俗界と切りはなさ
れた神域。◎形代(かたしろ)みそぎ 祓などに用いた紙の人形
(ひとかた)これで身体を撫でて禍を川に流した。
 
◎ご神体は社殿がなく熱湯の噴き出る霊巌
◎残雪に大幣の舞ふ湯殿山(盤水句碑)
◎銀漢ゆかりの地とも思える念願の出羽三山吟行。ささやかに
身ほとりの禊をして謹んでお訪ねしたい聖地。
(令和元年19.5.9 つ) 


詠まれた俳句
伊藤伊那男主宰
△月山の胎内に入る茸採
△形代の揉み合うてゐる淀みかな
△護符添へて月山筍の届きけり
△湯殿山蛇安心の舌出せり



粕谷容子句(山光院 女あるじ 俳人)
羽黒山緑雨に染まる御師の句碑  
△強力の双手で掬ふ山清水
△湯殿山湯煙まとふ岩燕
△天平の春の色なり鏡池 

            





                 2019/6/17 更新





 


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